イタリアの賃貸:修繕依頼・敷金返還・解約通知の手紙と例文
イタリアの賃貸住宅で家主に送る手紙。不具合の通知、修繕の催促、敷金(deposito cauzionale)の返還請求、raccomandataによる6か月前の解約通知を例文で解説します。
要点
家主(locatore)には、目的に合わせて手紙を書きます。不具合の通知、修繕の催促、敷金(deposito cauzionale)の返還請求の手紙は、メールでも郵送でも送れます。解約の通知は扱いが異なります。期間の途中で退去するには、契約上の中途解約条項か重大な理由(gravi motivi)が必要で、6か月の予告期間を置き、書留郵便(lettera raccomandata)で通知します。敷金は家賃の3か月分が上限で、法定利息が付きます。
| 対象者 | イタリアの民間賃貸住宅に住む借主 |
| 不具合 | 家主に知らせる(art. 1577 c.c.)。小修繕を除き、修繕はすべて家主が行う |
| 敷金 | 家賃の3か月分が上限。法定利息が毎年支払われる(art. 11 L. 392/1978) |
| 借主からの解約 | 中途解約条項または重大な理由(gravi motivi)により、6か月の予告期間で通知 |
| 解約の方式 | 手書きで署名したraccomandata A/R、または家主のPECアドレス宛てのPEC |
| よくある間違い | 家賃の支払いを止める、メールで解約する、引渡しの記録を残さない |
本ガイドは、イタリアの民間の住宅賃貸借(locazione abitativa)を対象とします。4+4契約(自由賃料型、canone libero)、3+2契約(協定賃料型、canone concordato)、短期契約(transitorio)、学生向けの契約も含みます。家主の氏名と住所は契約書から写し、賃貸住宅の住所とは分けて記載し、すべての記入箇所を置き換えてください。敷金が返ってこない場合はイタリアでの支払いの請求、インターネットなどの契約についてはイタリアでの契約の解約のガイドを参照してください。
不具合を通知する
イタリア民法典上、家主は住まいを良好な状態で引き渡し、合意した用途に使える状態を保たなければならず(art. 1575 c.c.)、必要な修繕はすべて家主が行います。ただし、小修繕(piccola manutenzione)は借主の負担です(art. 1576 c.c.)。小修繕とは、経年劣化や偶然の事故ではなく、使用によって生じた傷みの修繕のことで、その範囲は契約または地域の慣習によって決まります(art. 1609 c.c.)。修繕が必要になったら、家主に知らせてください(art. 1577 c.c.)。問題の内容、どこでいつ生じたか、生活にどのような影響があるかを説明し、写真を添えます。緊急の修繕は自分で行うこともでき、同時に家主に通知すれば費用の償還を受けられます。ガスの臭いなど危険がある場合は、まず緊急通報をしてください。
Oggetto: Segnalazione di guasto e richiesta di intervento — [Indirizzo dell’immobile]
Gentile [Nome del locatore],
Le segnalo che in data [data] ho constatato nell’immobile in oggetto il seguente guasto: [descrizione del guasto e locale interessato], che comporta [conseguenze sull’uso dell’abitazione].
Le chiedo di provvedere alla riparazione e di comunicarmi la data dell’intervento. Allego [fotografie o altra documentazione]. Per concordare l’accesso può contattarmi al numero [recapito telefonico].
Distinti saluti [Nome e cognome]
修繕されない場合に催促する
最初の通知に触れ、まだ解決していない点を説明し、期日を示します。家賃の支払いを止めたり、自分の判断で一部を差し引いたりしないでください。家賃を滞納すると、滞納を理由に立ち退き(sfratto per morosità)を求められるおそれがあります。住まいの使用に適した状態を相当程度損なう不具合がある場合は、家賃の減額または契約の解除を求めることができます。ただし、借主がその不具合を知っていた場合や、容易に気づくことができた場合は除きます(art. 1578 c.c.、入居後に生じた不具合についてはart. 1581 c.c.)。賃貸借をめぐる争いの多くは、裁判所に持ち込む前に、登録された調停機関(organismo di mediazione)での調停を試みる必要があり、その際は各当事者に弁護士が付きます(art. 5 および art. 8 D.Lgs. 28/2010)。まずは借家人組合(sindacato inquilini)に相談することもできます。
敷金の返還を求める
退去して住まいを引き渡すときは、鍵、メーターの数値、住まいの状態を記録した引渡し確認書(verbale di riconsegna)に、家主の署名をもらいましょう。敷金は家賃の3か月分を超えてはならず、法定利息が付き、その利息は毎年末に借主に支払われなければなりません(art. 11 L. 392/1978)。借主は、通常の使用による傷みや経年劣化を除き、受け取ったときの状態で住まいを返す義務を負うため(art. 1590 c.c.)、差し引かれる額は、借主が実際に負担すべき額と一致しているべきです。項目ごとの内訳を求めてください。返還について法律で決まった期限はありません。契約で利息が除外されていたり、より高額の敷金が定められていたりする場合は、専門家に相談してください。裁判所の支払命令(decreto ingiuntivo)は、事前に調停を経なくても申し立てることができます(art. 5, comma 6, D.Lgs. 28/2010)。
Oggetto: Richiesta di restituzione del deposito cauzionale — [Indirizzo dell’immobile]
Gentile [Nome del locatore],
il contratto di locazione relativo all’immobile in oggetto è cessato il [data di cessazione] e il [data della riconsegna] Le ho riconsegnato l’immobile e le chiavi, come risulta da [verbale di riconsegna o altra prova].
Le chiedo di restituirmi entro il [data] il deposito cauzionale di [importo] euro, con gli interessi legali non ancora corrisposti, mediante bonifico sul conto intestato a [intestatario del conto], IBAN [IBAN].
Qualora intenda trattenere una parte della somma, La prego di indicarmi per iscritto voci e importi, con la relativa documentazione.
Distinti saluti [Nome e cognome]
賃貸借の解約を通知する
契約で認められている場合(art. 4 L. 392/1978)、または契約の内容にかかわらず重大な理由(gravi motivi)がある場合は(art. 3, comma 6, L. 431/1998)、6か月の予告期間を置いて中途解約(recesso)し、契約を期間の途中で終わらせることができます。重大な理由は法律で定義されていません。専門家に相談したうえで、手紙にはご自身の理由を明記してください。それ以外の場合、契約を期間の途中で終わらせることができるのは、家主が同意したときだけです(art. 1372 c.c.)。予告期間は解約通知が家主に届いた時点から進行し(art. 1334 c.c.)、終了日までは家賃を支払う必要があります。
- 4+4契約と3+2契約:2回目の満了時(4+4契約では4年間の更新期間の終了時、3+2契約では2年間の延長期間の終了時)には、どちらの当事者も、少なくとも6か月前にraccomandataを送れば更新を止めることができます(art. 2 L. 431/1998)。
- 短期契約(最長18か月)と学生向けの契約(6か月から3年)は、省令で定められたひな形(D.M. 16 gennaio 2017)に従います。中途解約条項を確認してください。学生向けの契約は、満了日の3か月前から1か月前までの間に借主が通知しない限り、最初の満了時に更新されます。
法律は書留郵便を指定しています(art. 4 L. 392/1978)。受取人の署名入りの受領証が戻ってくる配達証明付き書留(raccomandata con avviso di ricevimento、A/R)か、家主のPECアドレス宛てのPEC(posta elettronica certificata、認証電子メール)を使ってください。PECは、法律上、郵便による通知と同様に扱われます(art. 48 D.Lgs. 82/2005)。契約でraccomandataが指定されている場合は、それを使います。メールや普通郵便では、送ったことを証明するのが難しくなります。契約書に記載された借主全員が手書きで署名してください。
登録された賃貸借契約を期間の途中で終了(risoluzione)させた場合は、30日以内にRLI様式でイタリア歳入庁(Agenzia delle Entrate)に届け出て、67ユーロの定額の登録税を納める必要があります。ただし、家主全員がcedolare secca(賃料収入に対する定率の分離課税制度)を選択している場合、この税はかかりません。規則は家主だけでなく契約当事者を対象としているため、誰が届け出るかを取り決め、受領証を保管してください。
Oggetto: Recesso dal contratto di locazione — [Indirizzo dell’immobile]
Gentile [Nome del locatore],
con la presente io sottoscritto/a [nome e cognome], conduttore dell’immobile in oggetto in forza del contratto di locazione stipulato il [data del contratto] e registrato il [data di registrazione], comunico il mio recesso dal contratto [ai sensi dell’art. [numero] del contratto / per gravi motivi, ai sensi dell’art. 3, comma 6, della L. 431/1998, consistenti in: [descrizione dei gravi motivi]].
Nel rispetto del preavviso di sei mesi dal ricevimento della presente, il recesso avrà effetto dal [data di cessazione, almeno sei mesi dopo il ricevimento] o, in subordine, dalla prima data successiva consentita. Entro tale data riconsegnerò l’immobile libero da persone e cose, insieme alle chiavi.
La prego di contattarmi per concordare la riconsegna e di confermarmi chi comunicherà la risoluzione del contratto all’Agenzia delle Entrate.
Distinti saluti [Nome e cognome] [Firma autografa; se i conduttori sono più di uno, firmano tutti]
手紙を郵送して証拠を残す
修繕の手紙と敷金の手紙は、完成したPDFをアップロードするか、MaisonMailで手紙を作成して送れます。写真や書類は、送付手続きの中でPDFとして添付してください。受取人の住所によって送付先が決まります。利用可能なサービス、配達予定、最終料金は支払い前に表示されます。すべての手紙と添付書類の控えを保管してください。追跡記録は郵便物が届いたことを示すだけで、中身までは証明しません。解約通知は、法律と契約が求めるとおり、raccomandata A/RまたはPECで送ってください。普通郵便や追跡付きの郵便は、raccomandata A/Rには当たりません。下の郵送ボタンは修繕と敷金の手紙専用です。解約通知に必要なraccomandataに代わるものではありません。
公式情報源
参照した根拠資料と、現在有効なルールへのリンクです。
- Risoluzione del contratto di locazione — adempimenti successivi alla registrazioneAgenzia delle Entrate
情報は最終確認日時点のものです。このガイドは情報提供のみを目的としており、法的助言ではありません。複雑なケースでは専門家に相談してください。
よくある質問
イタリアで借主が賃貸借契約を途中で解約するにはどうすればよいですか?
契約に中途解約条項がある場合、または契約の内容にかかわらず重大な理由(gravi motivi)がある場合は、6か月の予告期間を置いて中途解約(recesso)できます(art. 3, comma 6, L. 431/1998; art. 4 L. 392/1978)。重大な理由は法律で定義されていません。それ以外の場合、契約を期間の途中で終わらせられるのは、家主が同意したときだけです。
家主への解約通知はメールで送れますか?
メールに頼るのは避けてください。法律は、借主の中途解約について書留郵便(lettera raccomandata)を指定しています(art. 4 L. 392/1978)。手紙に手書きで署名して配達証明付き書留(raccomandata con avviso di ricevimento、A/R)で送るか、家主のPECアドレス宛てにPEC(認証電子メール)で送ってください。契約でraccomandataが指定されている場合は、それを使います。
家主はいつまでに敷金を返さなければなりませんか?
法律で決まった期限はありません。敷金は家賃の3か月分を超えてはならず、法定利息が付き、その利息は毎年末に借主に支払われなければなりません(art. 11 L. 392/1978)。住まいと鍵を返した後に、書面で返還を求めてください。
賃貸借の終了をイタリア歳入庁(Agenzia delle Entrate)に届け出るのは誰ですか?
登録された賃貸借契約が期間の途中で終了した場合は、30日以内にRLI様式で届け出て、67ユーロの定額の登録税を納めなければなりません。ただし、家主全員がcedolare secca(賃料収入に対する定率の分離課税制度)を選択している場合、この税はかかりません。規則は家主だけでなく契約当事者を対象としているため、誰が届け出るかを取り決め、受領証を保管してください。
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